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東京オリンピック ~治安と外国人犯罪の処罰(後編)~

-力丸ブログ , 弁護士ブログ

2017.03.17

力丸です。前回ブログの続きです。

「外国人による犯罪が起こった場合には、法律上どのようになるの?」
【オリンピック期間中、来日した外国人が、地元住民に対する強盗殺人事件を起こした】というケースで考えてみましょう。

 

1 犯罪(刑罰)について(前編)

こちらをご参照下さい→【東京オリンピック ~治安と外国人犯罪の処罰(前編)~】

 

2 民事問題(被害弁償・損害賠償)について

上記犯罪者が国外に逃亡していたとして、犯罪被害者の遺族は、犯罪者への刑罰とは別に、次のような疑問に至るでしょう。

 

・国外に逃亡した犯罪者に対し、慰謝料等の然るべき賠償を求めたい!

・でも、日本の裁判所で、日本の法律に従って判決を下してもらうことができるのか?

・外国の裁判所の通貨を基準に、低廉な賠償金を命じられても、話にならない!

 

このような疑問を含む国際民事紛争を定める法は、いわゆる「国際私法」と言われる分野です。

上記疑問点に対する回答は、「民事訴訟法」と「法の適用に関する通則法」に定められています。

 

■民事訴訟法 第3条の3 第8号
「次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる・・・不法行為に関する訴え 不法行為があった地が日本国内にあるとき(外国で行われた加害行為の結果が日本国内で発生した場合において、日本国内におけるその結果の発生が通常予見することのできないものであったときを除く。)。」

■法の適用に関する通則法 第17条
「不法行為によって生ずる債権の成立及び効力は、加害行為の結果が発生した地の法による。ただし、その地における結果の発生が通常予見することのできないものであったときは、加害行為が行われた地の法による。」

 

条文を読んでも分かりにくいかもしれませんが、結論のみ言えば、上記ケースでは、日本の裁判所で、日本の法律に従って、日本の通貨で、損害賠償を命じる判決を下して良いことになります。

 

日本で刑事裁判が行われる場合には、刑事裁判の手続内での損害賠償命令制度の利用も考えられます。

 

ただ、損害賠償を命じる判決が下されたとしても、犯罪者から犯罪被害者へ賠償金の現実的な支払いがなされない、という問題はよく生じます。

賠償金が巨額になるほど、よほど資力のある犯罪者でない限りは支払不能となります。

そして、国外にいる犯罪者である場合には、その支払いまでには、なおさら高いハードルが存在することが多いでしょう(執行の一般的な問題のほか、日本の判決が外国で承認されることなども必要です)。

なお、誤解のないよう付言しておくと、犯罪者から賠償を受けることができない場合も、上記ケースでは、犯罪被害者等給付金支給法に基づく遺族給付金などの犯罪被害者補償制度の利用が可能であり、全く補償がないというわけではありません。

※犯罪被害者等給付制度についてはこちらもご参照下さい→【犯罪被害者給付制度】

 

3 最後に

以上、2020年オリンピックに向け、参考知識として書かせていただきましたが、もし本当にトラブルに巻き込まれた際には専門家に相談しましょう。

 

 

弁護士 力丸

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