最近の裁判の状況
-塚本ブログ , 弁護士ブログ
2021.01.14
寒い日が続きますね。
裁判のIT化の動きや新型コロナウイルスの影響で,昨年頃から,佐賀や福岡での裁判(民事や家事)の進め方に変化が出てきています。
例えば,従前は遠方での裁判でも,少なくとも一方当事者の出廷は求められていました(もう一方は電話での対応となります)。
それが,双方とも裁判所に近い場合でも,双方電話での裁判(形式上は書面による準備手続)を行ったり,ウェブ会議システムを利用した裁判が始まっています。
家事調停でも,従前は,例えば離婚調停であれば調停成立時に本人の離婚意思を確認するために,遠方でも出廷を求められることがありましたが,調停に代わる審判などを利用して,一度も裁判所に出向くことなく離婚が成立するようなケースも出てきました。
遠方まで出向く必要がなくなり,移動時間がなくなることは弁護士にとってもありがたいことですし,旅費日当などのコストがなくなることは,当事者にとってもメリットが大きいように思います。
一方で,裁判官や調停委員と対面で議論することによる細かな心証の観察などができないのは多少のやりづらさも感じているところです。
現在でも,尋問期日などは出廷が必要ですが,近い将来,一度も裁判所に出向くことなく裁判を行う日が来るかもしれませんね。
弁護士 塚本