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相続・高齢者問題
遺言の解釈(1)

遺言は要式行為とされており、民法に定める方式に従って作成しないと無効となります。

ただ、その方式に従って作成された遺言であれば、何でも有効というわけではありません。遺言も法律行為ですので、遺言に示された法律行為の内容がいかなるものかを確認する作業が必要になります。これを「遺言の解釈」といいます。

例えば、「私の○○を、長男Xに相続させる。」という遺言の内容であれば、遺言がどのような効力を有しているかは明らかです。
他方で、遺言書の記載のみでは遺言者の意図が読み取れない場合、複数の法律行為を指しているように読める場合等には、遺言がどのような効力を有しているか明らかではないため、遺言の解釈という作業が必要になります。
遺言は、自らの死後の法律関係を自ら一方的に決める単独行為(ごく簡単に言えば契約ではないということ)であるため、この遺言の解釈にあたっては「遺言者の真意」のみが判断基準になります。

ただ、遺言の効力が問題になるときは、すでに遺言者は死亡しており、その真意を直接確認する手段はありません。そのため、遺言の解釈方法をどのように整備するかが問題となります。

遺言の解釈について判断を示した最高裁判決は、最高裁昭和58年3月18日第二小法廷判決(判時1075号115頁)が有名です。

まずは、その一部を以下、引用します。

「遺言の解釈にあたっては、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探究すべきものであり、遺言書が多数の条項からなる場合にそのうちの特定の条項を解釈するにあたっても、単に遺言書の中から当該条項のみを他から切り離して抽出しその文言を形式的に解釈するだけでは十分ではなく、遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して遺言者の真意を探究し当該条項の趣旨を確定すべきものであると解するのが相当である。」

次回は、この最高裁判決について解説いたします。

 

武雄オフィス所長 弁護士 矢野雄基

【参考文献】遺言と遺留分 第1巻 遺言(日本評論社) P305~P341、P355~P377

 

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